遺品整理をしている最中に、依頼主が見落としていたり、故人が隠していたりした場合など、さまざまな理由で現金や貴重品が発見されることがあります。
もちろん、遺品整理中に見つかった現金はまとめて依頼主に返却するのがルールですが、遺品整理業者の中には、見つかった現金や貴重品をネコババするという悪質な業者も存在します。
こうしたトラブルに合わないために、遺品整理業者の選び方についてご紹介します。
目次
遺品整理で現金を「ネコババ」されるトラブルについて
遺品整理は、かつては家族・親族が行うものでした。
家族が亡くなっても、一緒に住む家族や近隣の人が協力して遺品整理を行っていました。
しかし、近年は核家族化が進み、家族と離れて暮らしている人も多く、遺品整理をするために遠方に行くことができないという人もいます。
また家族や親族が少なく、遺品整理をする時間や手間がなかなか捻出できないという人も増えつつあり、遺品整理業者が遺品整理を代行するケースも増えてきています。
遺品整理業者のニーズが高まる中、悪徳業者とのトラブルも増えてきています。なかには遺品整理の最中に見つかった現金や貴重品など金目のものををネコババ(窃盗)したという事例もあります。
残念ながらこのようなトラブルが起きてしまうと、遺品整理業者の違法行為が発覚した場合、依頼主として家族も事情聴取されてしまうこともあります。
家族を亡くし悲しみに暮れている遺族にとって、このようなトラブルはショックも大きく、精神的にも経済的にもつらい経験となってしまうでしょう。
業者を選ぶ際、ネコババされない為気を付けたいこと4つ
こうしたトラブルに巻き込まれないために、遺品整理業者はしっかりと選ばなくてはなりません。遺品整理業者に遺品整理を依頼する時、チェックしたいポイントを4つご紹介します。
依頼する会社の評判を確認!
まずは依頼する会社の評判を確認しましょう。
会社の評判を確認する方法としては、口コミサイトや業者のホームページなどを参考にするのがおすすめです。
ただし、口コミサイトは業者の評判を上げるために作為的に選んで掲載していることも多く、必ずしも信用できるとは限りませんので注意が必要です。
遺品整理業者の多くはホームページを持っています。
近隣の遺品整理業者のホームページを見比べ、サービス内容やおおよその見積もり金額がはっきりと提示されているかどうかなどを確認してください。
多くの情報を掲載しているホームページのある遺品整理業者は、信頼がおけるといってもよいでしょう。
どうしても情報が得られず困ったときは、葬儀を依頼した葬儀会社に評判を聞くという方法もあります。
葬儀会社のなかには、自社で遺品整理も請け負っていたり、提携している遺品整理業者がある場合もあり、評判を教えてくれたり遺品整理に困ったときは紹介してくれることもあります。
いずれの場合も、もし実際に遺品整理を依頼した人が要る場合は、出来るだけ直接話や評判を聞かせてもらいましょう。
近しい人からの実際の声が、一番信用できる口コミとなるでしょう。
作業料金が格安の場合は要注意!
作業料金が安いということは一見魅力的ではありますが、あまりに安すぎる場合は注意が必要です。
料金設定を安くしている遺品整理業者のなかには、利益が少ない分作業が丁寧ではなかったり、遺品の買取を安く抑えようというところもあります。
とはいっても、遺品整理の経験がなく相場がわからなかったり、提示された料金が安いのか高いのか不安になってしまうこともあるでしょう。
そんなときは複数の業者に相談したり、相見積もりを依頼するという方法も有効です。
電話対応・立ち合い見積の際の対応が丁寧がどうか
遺品整理を依頼するときには、まずは見積もりが必要です。
そのときの電話対応や立ち合い見積もりの対応をしっかりと見ておきましょう。
電話に出た担当者や立ち合い見積もりに来た担当者が、依頼主の気持ちに同調していねいに対応してくれることが一つのポイントとなります。
スタッフがあまりに冷淡であったり、不快感を感じるような対応の場合は、別の遺品整理業者を検討したほうがよいでしょう。
もう一つのポイントは、見積もりを取る担当者と、実際に遺品整理を行う作業担当者が同じ人であることです。
見積もりを取る担当者に、そのまま遺品整理を行ってもらえれば、見積もりのときに聞き取った遺族の気持ちや状況を考えて、しっかりと対応してくれるところが多いです。
「遺品整理士」の資格などの有無も要確認!
遺品整理士とは、遺品整理の取り扱い手順や遺品整理に関わる法律などの知識を身に付けた人に与えられる資格です。
遺品整理業者の中には、この遺品整理士の資格を持った社員がいることがあります。
この資格を持った人であれば、しっかりとした担当者であると安心してよいでしょう。
また遺品整理士を認定する遺品整理士認定協会では、優良企業をホームページで紹介しています。
こうした信頼できるところから遺品整理業者を依頼するのも一つの方法です。
そのほか、「一般廃棄物収集運搬許可証」や「古物商許可証」などの資格があるかもチェックしておくとよいでしょう。
一般家庭からでる不用品は、「一般廃棄物収集運搬許可」を受けている業者以外は処理をすることができません。
許可がない業者は、不法投棄を行っている場合もあります。
また、遺品整理意をする中で値段が付くものは買い取りをしてもらう場合がありますので、「古物商許可証」を持っている業者かどうかを確認しておきましょう。
遺品整理のトラブルを防ぐためにも、しっかりと確認しておきましょう。
現金・貴重品が見つかりそうな場所は事前に確認しておくと良い
遺品整理を依頼するときには、まず最初に故人が所持していた現金や貴重品を探しましょう。
こうしたものは遺品整理業者が見つけても黙っていたり、盗ってしまったりする可能性もあり、トラブルの原因となります。
遺品整理業者に依頼する前に、まずはこうした貴重品の探索をしておく必要があります。
特に通帳やクレジットカードなど、個人情報がかかれているものは業者によって悪用される可能性もあるので、しっかりと捜索しておきましょう。
現金・貴重品が見つかりそうな場所一覧
- タンスの上段部分
- 仏壇にある引き出しの中
- 本棚もしくは書籍の間
- 三面鏡の引き出し
- 押入れの上段や布団の下
- キャビネット・リビングボードの中
- 故人の上着のポケット
故人が重要なものをひとまとめにしている場合はよいのですが、他人からわからないように故人が隠していたり、しまった場所を忘れて長年放置してしまっていたというケースもあるので、これを例に家の中のさまざまな場所を探す必要があるでしょう。
まとめ
遺品整理業者にネコババされないためのポイントまとめ
- 遺品整理中に現金をネコババされる可能性があるので当日の立会いはなるべく行う
- 業者を選ぶときは評判や資格の有無をチェックする
- 現金や貴重品が見つかりそうな場所はあらかじめ確認しておく
遺品整理業界は、近年急速に発達し、法整備が整っていない部分もあります。
今回のようなネコババ行為だけでなく、遺品整理ではさまざまなトラブルが発生した事例があります。
こうしたトラブルに巻き込まれないためには、しっかりと遺品整理業者を見極め信頼できる業者に依頼することが重要なポイントになります。
ご紹介したポイントを参考にして、気持ちよく遺品整理を行えるような業者に依頼をしましょう。