自分が亡くなった後、残された遺族の負担を軽減することができるのが生前整理。
実際に生前整理をしてみたいけど、なにから始めていいかわからないし、どれくらいの費用がかかるかわからないですよね。
生前整理とは
- 何歳からでも始めて良い
- 残された遺族の負担を軽減する
- 生前整理をしていることが知られたくない場合は、エンディングノートが便利
- 生前整理は遺品整理業者に依頼することができる
- 遺族はもちろん、自分の生活も豊かになる
です。
今回は生前整理のやり方や、全体の流れ、金額などについてご紹介していきます。
生前整理に興味のある方は、参考にしていただければ幸いです。
目次
生前整理とは?
本来親族が手配するはずの葬式や、部屋に残された遺品の整理を生前にしておくことです。
生前整理をしておくことで、残された家族や親戚などの負担を減らすことができますし、本当に残しておきたい大事な遺品を、自分で選んで大事な人に渡すことができるのです。
また価値のあるものやブランド品などは、相続する際にもめる原因となるので、事前に生前整理をしておくことで親族間のトラブルを回避できます。
生前整理はいつから始めるべき?
生前整理は動けなくなったり、正しい判断ができなくなったりしてからでは遅いのですが、明確な始める時期などはなく、早い人だと30代のうちに始めている人もいます。
でも基準がないと自分では決められないとお困りの方は、下記のタイミングで生前予約を始めてみてください。
定年退職したら
定年退職をすると今までは仕事に割いていた時間が空きますし、第二の人生を考えていかなければいけない時期に差し掛かるので、生前予約に適したタイミングと言えるでしょう。
また、体力的にもまだまだ余裕のある時期なので、負担も少なく済みます。
70歳になったら
70歳はまだまだ体力的に元気で、認知症になっている方も少ない年齢なので、生前予約を始めるのに適した年齢と言えます。
2017年に厚生労働省が公表した日本人の平均寿命は、男性が81.09歳で女性が87.26歳です。残り10年と少ししかないと考えると、決して生前整理を始めるのに遅いタイミングではございません。
配偶者が亡くなったら
配偶者が亡くなると、葬儀や遺品整理の大変さがわかるので、同じ思いを残された子供や親族にさせたくないと、生前予約を始める人が多いです。
また妻が先に逝った場合、夫の寿命が短くなるとも言われているので、配偶者が亡くなり精神的にも落ち着いてきたら生前整理を始めると良いでしょう。
生前整理の全体の流れ
ここからは生前整理の全体の流れについてご紹介します。
すべて行なわなければいけない訳ではないので、あなたが必要だと感じたことだけで大丈夫です。
財産リストを作る
財産リストとはあなたが所持している貯蓄や資産などをまとめたリストのことです。
銀行の残高や価値のある資産、土地や不動産など。
また借金がある場合、財産リストに明記されていないと相続の際にトラブルが起きてしまうので、必ず書いておきましょう。
不用品の整理・処分
相続もしないし、今後自分で使うことがないような日用品や不用品は、先に処分しておきましょう。遺品整理を行う親族の手間が減りますし、業者に依頼した場合の作業費用を削減することができます。
また余裕があるのであれば、リサイクルショップやネットオークションなどで売ると、処分費がかからず思わぬ臨時収入となる可能性もございます。
重要書類の整理
重要書類がまとまっていないのであれば、1箇所にまとめて保管しておきましょう。
重要書類とは市役所や年金事務所に届けるものや、生命保険、賃貸住宅契約書などです。
部屋の片付け
部屋の片付けをすることで、亡くなった後の作業がスムーズになります。
また生前の生活も快適に過ごすことができるので、部屋の片付けは日頃から気をつけておくとよいでしょう。
家や財産の処分
亡くなった後、住んでいたのが持ち家なら解体するのか売りに出す、賃貸として貸すといった処分方法がございます。
賃貸の場合は速やかに解約できるように、契約書や電気ガス水道の解約手続きに必要な書類をまとめて用意しておきましょう。
他には資産となる貯蓄や物は、誰にどう渡すのかなどを決めておくと親族間のトラブルを避けることができます。
デジタル遺品となるインターネットの情報整理
デジタル遺品とはスマートフォンやパソコンなどに入っている写真や連絡先、サイトのログイン情報などです。
写真などはいくら親族だからといって、見られたくないものもあるでしょう。そういった写真は先に処分しておいたり、別のフォルダに暗証番号を設定しておくと良いでしょう。
暗証番号はなんでも設定しておけばいいというものではなく、葬儀の際に知人に連絡したい場合、暗証番号がわからなければ連絡することができなくなるからです。
ログイン情報なども、事前に整理しておかないとネット銀行に入っているお金を引き出せなかったり、FXや株式投資を放っておいて多大な損失となる場合もございます。
エンディングノートの作成
生前予約をしたことを、事前に家族や親戚に伝えておかなければスムーズな遺品整理ができないのですが、自分から伝えにくい場合はエンディングノートを活用しましょう。
エンディングノートとは亡くなったあとに親族が見るためのもので、葬儀の希望や家系図、連絡してほしい友人など遺品整理に役立つことを記入しておくことができます。
多くの書店でエンディングノートは販売されています。
ただし、エンディングノートの存在や保管場所を生前中に親族に伝えておかないと、親族が重複して業者へ手配してしまうこともあるので必ず伝えておきましょう。
遺言書の作成
エンディングノートは法的拘束がありませんので、財産の処分や相続について親族に伝える際は遺言書を作成しましょう。
遺言書には書き方が3種類あり、それぞれに細かいルールが設けられています。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
例えば自筆証書遺言だけでも
- 押印がない必要
- 日付の記載
- 代理人の執筆は不可
- 本人の署名が必要
など、これらを守らなければ法的に効果を発揮することができないので、遺言書を執筆する前に必ず確認しておきましょう。
遺品整理業者に生前整理を頼むこともできます!
遺品整理業者は部屋に残っている不用品の処分や、荷物整理などのスペシャリストです。
亡くなった後の部屋ではなく、現在住んでいる部屋の整理も、もちろん依頼することが可能です。
昔に購入した大きな家具や家電も1人では処分に困りますが、業者に依頼することで手間なく処分することができます。
亡くなった後の家の処分に関しても、不動産の知識を持っている遺品整理業者だと、最適な運用方法も提案してくれます。
費用は業者や部屋のサイズ、作業量によって異なりますが、1Kで35,000円〜ぐらいです。
遺品整理の金額と同じところが多いので、まずは電話で相談してみると良いのですが、料金で損をしないためにも必ず3社以上は見積もりを取るようにしましょう。
また生前以外にも、亡くなった後の遺品整理の予約をしておくことも可能です。
事前に予約しておくことで、亡くなった後の親族の負担を軽減することができます。
ただし、親族が亡くなった後に遺品整理業者に依頼したことを知らなければ、重複して依頼してしまう可能性があるので注意してください。
必ず生前中に伝えておくか、エンディングノートに依頼している旨を記載しておきましょう。
エンディングノートには業者名や連絡先、見積もり金額、契約書などを挟んでおくとスムーズに業者へ連絡することができます。
不用品回収業者と遺品整理業者のサービスの違い
遺品整理業者は不用品の処分はもちろん、価値のある遺品の買取や、仏壇や仏具の供養まで、故人の思いを汲んで遺品の整理に関わることすべてを対応してくれます。
その点、不用品回収業者が対応してくれるサービスは、部屋に残された荷物の処分だけです。
依頼費用は安いかもしれませんが、親族との思いが詰まったものやアルバムなども、雑に扱われてしまいます。
しかし不用品回収業者に求めるのは、不用品の処分なので仕方ありません。
親族や子供に遺品をちゃんと残してあげたいのであれば、遺品整理業者に依頼しましょう。
生前整理のメリット
生前整理をすることで、残された遺族の負担が減るのはもちろん、あなたの生活環境も向上します。
ここからは生前整理を行うことで得られるメリットについてご紹介していきます。
自身の住環境の整理に繋がる
不用品を処分する習慣ができるので、余計なものを買うことが少なくなります。
また今住んでいる部屋が広くなるので快適になりますし、部屋が狭くなっても良いのであれば、今よりも家賃が安い所に移って節約することも可能です。
遺族の負担を減らすことができる
生前整理をしないまま突然亡くなってしまうと、残された遺族は葬儀の準備から、部屋に残された大量の遺品を整理しなければいけません。
親族と住んでいないのであれば、なおさら大変です。
遺族の負担をなるべくかけたくない方は、生前整理をしておきましょう。
財産・相続の問題を防ぐことができる
親族が揉める原因として一番多いのが、故人が所有していた財産の相続問題です。
遺品や資産の相続先を決めずに亡くなると、親族同士が喧嘩するだけなら良いのですが、裁判沙汰になる場合も。
借金があればなおさらです。
生前に相続についての取り決めをしておけば、親族間のトラブルを避けることができます。
まとめ
生前整理のやり方や、全体の流れ、金額などについてご紹介しましたが、お分りいただけましたでしょうか。
今回ご紹介した生前整理とは
- 何歳からでも始めて良い
- 残された遺族の負担を軽減する
- 生前整理をしていることが知られたくない場合は、エンディングノートが便利
- 生前整理は遺品整理業者に依頼することができる
- 遺族はもちろん、自分の生活も豊かになる
です。
残された遺族に迷惑をかけたくない方は、さっそく生前整理を始めてみましょう!