故人の部屋に残された大量の遺品。
大きな家具や家電などは親族や友人に形見分けとして譲りにくいので、処分に困りますよね。
その場合は専門業者に依頼すると、重たい家財を運ぶ手間が省けますし、処分に悩むこともありません。
しかしちゃんとした許可を得てない業者に依頼すると、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性がございます。
そこで今回は、遺品整理で出た処分に困る家財を、正しく処理してくれる良い業者に出会うためについてご説明いたします。
不要品の処分にお困りの方は、本記事を参考にしていただければ幸いです。
目次
遺品で出る家財などの処分は、一般廃棄物収集運搬業の許可が必須!
遺品整理で出た家財などの処分品は、一般廃棄物収集運搬業という許可がないと回収が出来ませんし、処分することもできません。
遺品整理や回収業者は、不要品を回収できると大きくアピールをしているところもございますが、何もしらないままお願いしてしまうと、不法投棄に加担してしまうことになるので注意してください。
許可がおりていない業者は許可を持つ業者と提携する必要があります。
遺品整理や特殊清掃、不要品回収業者の多くは一般産業廃棄物の回収や処分をすることができません。
また許可されている業者の数も非常に少ないです、
その理由は一般廃棄物収集運搬業の許可は、市町村に権限があるからです。
すでに他の業者に依頼しているので数が足りている場合や、そもそも新しい業者に一般廃棄物収集運搬業の許可を、与えていないところがあるからです。
このことから業者は、一般廃棄物収集運搬業の許可を持っている業者と提携して、遺品整理によって出る家財などの処分や運搬を行う必要があります。
この許可を持っていないのに、不要品を回収している場合は不法投棄を行なっている可能性が高いです。
不要品の中にあなたの個人情報を特定できるものが入っていて、これを警察や捜査機関などに見つかってしまうと、あなたも不法投棄に加担したと疑われ、事情聴取をされてしまう可能性があるので注意してください。
許可がおりているかどうかは、業者のホームページでチェックしましょう!
一般廃棄物収集運搬業の許可を持っている場合は、業者のホームページに記載されているので必ずチェックしましょう。
よく業者のホームページには、不要品の回収ができると全面的に許可や、資格をアピールしているところもございますが、名称には注意してください。
産業廃棄物収集運搬業や古物商許可、遺品整理士と記載されている業者では、一般家庭から出た不要品を回収したり処分したりすることが出来ません。
必ず一般廃棄物収集運搬業の許可があると、記載されているかをチェックしましょう。
遺品整理業者が処分する廃棄物の種類と違いについて
一般廃棄物収集運搬業の許可を持っている業者や、持っている業者に委託した場合は、不要品の処分に関して心配する必要がありません。
しかしあなたも処分する廃棄物の種類や違いについての知識を持っていることで、より良い業者に遺品整理を依頼することができます。
産業廃棄物とは?
一般家庭から排出されるゴミや、事業活動によって発生した一般産業廃棄物以外のものを指します。
事業活動とは工場やオフィス、飲食店などから排出された、廃棄物処理法の規定にある20種類の内訳に当てはまる廃棄物です。
- 産業廃棄物20種類の内訳
- 燃えがら
- 汚泥
- 廃油
- 廃酸
- 廃アルカリ
- 廃プラスチック類
- ゴムくず
- 金属くず
- ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず
- 鉱さい
- がれき類
- ばいじん
- 紙くず
- 木くず
- 繊維くず
- 動植物性残さ
- 動物系固形不要物
- 動物のふん尿
- 動物の死体
- 以上の産業廃棄物を処分するために処理したもので、上記の産業廃棄物に該当しないもの
一般廃棄物とは?
一般家庭から排出されるゴミや、産業廃棄物に含まれない廃棄物のことを指し、さらにその中から家庭系一般廃棄物と、事業系一般廃棄物の2つに分けられます。
家庭系一般廃棄物とは主に家庭から発生するゴミ全般で、糞尿なども含まれます。
事業系一般廃棄物はオフィスや飲食店から発生する、産業廃棄物以外のゴミのことです。
家庭系一般廃棄物
家庭系一般廃棄物は、「家庭ごみ」と意味はほとんど同じで、廃棄物とされるゴミの分類のうち、家庭から排出される廃棄物のことを言います。
家庭系一般廃棄物の例
- 可燃ごみ(生ゴミ、ちり紙、新聞、雑誌等の紙くずなど)
- 不燃ごみ(食器・窓等のガラス、食器・花瓶等の陶磁器など)
- 粗大ごみ(大型の電化製品(家電4品目を除く)、タンス・食器棚等の家具類、自転車など)
- 家電4品木(洗濯機、エアコン、テレビ、冷蔵庫)
- パソコン(パソコンおよび周辺機器)
- 自動車
- 有害ごみ(乾電池、蛍光灯、体温計等の有害物質が含まれるもの)
事業系一般廃棄物
事業系一般廃棄物は、事業所から排出される一般廃棄物のことをさします。
事業系一般廃棄物の例生ゴミ
- 可燃ごみ(生ごみ、紙くず(産業廃棄物以外のもの)、木くず(産業廃棄物以外のもの))
- 粗大ごみ(大型の食器棚・机、通常の収集では対応できない木製の家具など)
専ら(もっぱら)物
専ら(もっぱら)物とは再利用の目的となる産業廃棄物や一般廃棄物のことです。
市町村から許可を得ていない業者でも、処理することができます。
遺品整理でよく出る専ら物は、大型家具を解体した際に発生する鉄くずや、調理器具に使われているアルミやステンレス、リユースができる衣類や食器などです。
専ら物を廃棄業者へ依頼する際は、処理委託契約書を正しく交わしておけば、問題なく処分することができます。
専ら(もっぱら)物の例
- 古紙・段ボール
- 空き瓶・缶
- 古布・古繊維
- くず鉄
- 空き瓶・缶
不用品の買取を依頼する場合は「古物商許可証」があるかチェック!
遺品整理をしていると、故人が所有していた貴金属や証券など、売るとお金になる遺品も多く残っている場合がございます。
価値ある遺品を無償で譲ったり、処分したりする場合は特別な許可や資格がなくても可能ですが、売ってお金にしたい場合は、必ず業者が古物商許可証を持っているかを確認しましょう。
持っていない場合は相場の価格よりも大幅に低い金額で買い取られることや、遺品に価値がないと嘘をつき、逆に処分費を請求されてしまう可能性もございます。
そういったトラブルを避けるためにも遺品の買取を希望される場合は、必ず業者に古物商許可証を持っているか確認しましょう。
許可を持っている場合は、古物商許可番号というのを持っていますので、不安な方は確認しておくと安心です。
まとめ
良い遺品整理業者に出会うためのポイントまとめ
- 家財の処分や運搬するには、一般廃棄物収集運搬業の許可がないとできない。
- 遺品整理で出るゴミは、家庭系一般廃棄物である。
- 遺品を売ってお金にしたい場合は、業者が「古物商許可証」を持っているか確認すべし。
遺品整理で出た処分に困る家財を、正しく処理してくれる良い業者に出会うためについてご説明いたしましたが、お分りいただけましたでしょうか。
不要品の回収を請け負っている多くの業者は、市町村から一般廃棄物収集運搬業という許可を得ていないので、遺品整理で発生した廃棄物の処分や運搬をすることはできません。
知らずに一般廃棄物収集運搬業の許可を得ていない業者に依頼すると、不法投棄に加担したことになり、トラブルに巻き込まれてしまう可能性があるので注意してください。
遺品整理で出た処分に困る家財は、一般廃棄物収集運搬業の許可を持っている業者や、協力業者に委託しているところに依頼しましょう!